2025.09.30

冬の常識を変えた東レ×ユニクロの技術力

三井のオフィスの健康経営支援サービス「&well」にて、東レ株式会社と共催でオンラインイベント「&well Challenge 温活」を開催いたしました。というのも、東レはユニクロとともに、あのヒット商品「ヒートテック」を共同開発した素材メーカーだからです。

イベントの賞品としては、季節を問わず日常使いしやすいと評判の「ヒートテックボディウォーマー」と「ヒートテックウエストウォームショートパンツ」を提供いただきました。

本コラムでは、東レとユニクロの技術が詰まったヒートテックの "薄くて軽いのに暖かい" 秘密を、ピックアップしてお届けします。

冬の常識を変えた、ユニクロ×東レの技術力

ユニクロと東レは、1999年のフリースの素材供給を皮切りに、2003年にヒートテックの開発で協業を開始。

「冬は厚着で重く、動きにくい」という常識を覆したい――。

その想いから、まだ世にない商品づくりへの挑戦が始まりました。

快適な着心地と機能性を叶える、4つの繊維

「薄くて軽いのに暖かい」ヒートテックの秘密は、4種類の繊維それぞれの特性を組み合わせたことにあります。 レーヨンが体から常時発散される水分をキャッチし、その運動エネルギーを熱に変換。

生まれた暖かい空気が、髪の毛の約10分の1という極細アクリル繊維の間にできたエアポケットに閉じ込められることで、高い保温性を発揮しています。

さらにポリウレタンがゴムのように伸縮し、しなやかなストレッチ性を実現。そしてポリエステルが水分を素早く吸収・拡散させることで、汗をかいても快適なさらっとした肌触りを生み出しているのです。

ユニクロと東レの両社でアイデアをぶつけ合い、素材を作っては挫折し、また新しい素材を作るーー。 この地道な試行錯誤の末に、このように4つの繊維それぞれの持つ特性を引き出すことに成功。高い機能性と優れた着心地を実現しました。

しかし、それだけでは商品としては未完成。「量産化に耐えうる染色技術を確立できるか」という次なる課題が待ち構えていたのです。

染色法まで新たに開発

理想的な素材ができあがったものの、繊維ごとに染料吸収の速度が異なるため、従来の染色法では色むらが生じてしまうという課題に直面。 そこで東レの技術者と、ユニクロ内で「匠」と呼ばれる専門チームが毎週のように工場に足を運びました。試作と失敗を何度も繰り返しながら改善を続け、ヒートテック専用の染料や染色法を一から生み出したのです。 その結果、素材としての完成に加え、安定した量産体制も確立。初めて「商品」として世に送り出せるようになりました。

冬だけではない、ヒートテックの魅力

こうして誕生したのが「軽く、薄く、暖かい」ヒートテック。冬の重ね着の常識を変え、今では世界中で愛されています。

さらに近年では冷房による屋内外の温度差や、オフィスでの温度調整の難しさから、ヒートテックは「夏の温活」アイテムとしても注目を集めています。

着心地が良く、薄着の下でもシルエットに響かず、おしゃれを楽しみながら体を冷えから守れるーー。

これが男女問わず、季節を超えて活躍の場を広げている理由です。

広い場面で着用いただけるよう、半袖やキャミソールのバリエーションも展開しています。

▼より詳しいラインナップはコチラ
UNIQLO Webサイト http://uniqlo.com/jp/ja/

イノベーションを生む協業

ユニクロと東レは素材から商品まで、企画・開発・生産・物流に至るまで一貫して連携。

ユニクロの企画力・マーケティング力・販売網と、東レの研究開発力・生産体制が合わさることで、ヒートテックをはじめ、数々のヒット商品が誕生してきました。

東レが素材開発で大切にするのは「新鮮な驚きを届けること」。一言で「快適性」と言っても、着た瞬間から暖かい方がいい、蒸れない方がいいなど、その切り口はさまざまです。

本当に求められるものは何か、お客様の声にしっかり耳を傾けながら、驚きと喜びを届ける革新的な商品開発がこれからも続いていきます。

column